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 吸玉って何?

吸玉を一言で説明するなら、吸玉は ‟血行を良くする療法” です。揉んだり、さすったり、温めたりして血行を良くするというよりも、・・・
吸玉は、瘀血( おけつ )を取り去って血行を良くする療法です。

 

‟瘀血” とは、東洋医学でいう「於( お )いてそのままの動かない血液」のことで、・・・
滞( とどこお )った血液のことです。

 

つまり、吸玉とは、滞った血液を解消して血行を良くする療法なのです。

 

今日本では椅子の生活になってしまい、正座をすることがなくなりましたが、私が子供のころは正座が基本の生活でした。

 

正座を続けると、徐々に足がしびれてきます。

そして、しびれを我慢して正座を続けると、段々足が痛くなってきます。さらに我慢して座り続けると、とっさに立って歩こうとしても歩かれず、大概は転んでしまいます。

 

正座のしびれをとろうと、正座をしたまま揉んでもさすっても、しびれも痛みもとれません。

正座したしびれや痛みをとるにはどうしたらいいか? 簡単なことで、正座をしている足を崩して、延ばせばいいのです。

 

瘀血を取り去るとは、・・・

 

正座をしている足を崩して、延ばすような血行改善法! なのです。

 

揉んでもさすっても取れない頑固な痛みやこりは、そこに正座を続けているような状態があり、そんな場合は ‟瘀血” を取り去って、正座をしている足を崩して延ばすような状態に戻してあげればいいわけです。

 

慢性化した頑固な病は、我慢して正座を続けたときに、とっさに立って歩こうとしても歩かれない状態に陥っているからです。

ですから、その場合も ‟瘀血” を解消してあげればいいわけです。
 

 

 

 死の淵からの生還

 

昭和16年7月、黒岩東五健康医学協会元会長は、結核が悪化して死の淵に立たされていました。

当時結核は死の病といわれ、医者であった父親からもさじを投げられ、療養所の仲間が次々に亡くなり、まさに次は自分の番だというときに、ある事に気付いたのです。
 
それは、左の肺は菌に侵されて大きな空洞があるのに、右の肺は正常だったことです。

 

「結核は、結核菌が感染して発病するといわれるが、もしそうなら、左の肺の菌が、なぜ右の肺に感染しないのだろう・・・」
「人から人に感染するほどの菌なら、自分の肺から肺に感染するほうが、よほどたやすいだろうに・・・」と、考えたのです。

 

さまざまな医学書を読み、研究するうちに、その疑問を解くものを発見しました。

 

それは、「酸塩基平衡の学説」です。
血液が、酸とアルカリのバランスを保つときには、たとえ病原菌が体内に侵入しても、病気がおこらないというものです。
 
それに、東洋医学の
瘀血( おけつ )という考え方です。
「瘀血」とは、於いてそのままの動かない血液、つまり、滞った血液という意味です。

 

空洞のある左の肺には、酸とアルカリのバランスのくずれた瘀血があり、それが菌の繁殖をゆるす環境をつくって、右の肺には "瘀血" がないのだ・・・

 

左の肺に滞っているであろう瘀血をとるために、吸玉をためしてみました。吸玉は、大昔から世界中にある伝統的な療法です。

 

吸玉を皮膚につけると、吸玉の丸い跡が ”真っ黒”になって残りました。
その跡から瘀血をとってみると、タールのような真っ黒な "瘀血" が出てきたのです。

 

そして、吸玉を続けて1年半、左の肺の空洞は消えてしまったのです。

 

当時はなかった菌を殺す抗生物質は今ではあります。
しかし、この事実は、体質改善という方法の、大きな可能性を示している、のです。
 
 
 
 
吸玉療法の歴史
 
猿から進化して、生き物のなかで始めて思考する能力を獲得した人類は、病気を始めて見たとき、西洋でも東洋でも、悪魔や邪気のタタリ、あるいは神罰と考え、魔除けやお祓いや祈祷をしました。

 

事実、医療の意味の古い漢字は、医の字に巫( みこ )の字が合わさっていました。→( 毉 )

又、薬を服用するといいますが、服という字は身につける意味で、病気の治療は元々魔除けを身につけることでした。
その後、薬草を飲むようになってから、飲み薬のことを、内服薬というようになったのです。

 

吸玉療法は、大昔からあり、今でも世界中にあります。吸玉は、人類が使った最古の治療法ともいわれます。

 

たとえば、夏に肌を露出したまま野山に入ると、・・・
・・・藪( やぶ )のトゲやら虫やらでキズだらけになってしまいます。

 

もしトゲや虫に毒があると、腫れることもあります。刺されて痛みがひどいときは、人はとっさに口で毒気を吸い出そうとするでしょうし、実際に、昔の人たちもそうやっていたでしょう。
 
単純ですが、そんな行為が吸玉の始まりだとおもわれます。
そして、そんな単純なことだからこそ、大昔から世界中に吸玉療法が存在する理由だとおもわれるのです。

 

吸玉療法は、哺乳類の本能から始まったようにおもわれます。
動物番組をテレビで見ていると、動物はケガをすると、傷口を舐め、子供が弱ると体中をなめ回します。

 

実際、唾液には殺菌や細胞の修復作用があるといいます。まだ動物の時代だった人も、同じようにしていたはずです。

 

哺乳類のなかでも、人の口は、とくに吸うことに適した構造です。もし出来物ができたら、口でウミを吸いだして、痛みを緩和したでしょう。

 

40年ほど吸玉をしてきて、これまで出来物のできた人はほとんど見かけません。
 
しかし、わたしの子供の頃は、もっとお出来や腫れ物で痛がる人が多かったような気がします。
おできは、出来ても、ほとんど一過性でした。
 
しかし、アレルギーになると、そうはいきません。
 
アレルギーは、私が吸玉を始めた頃はほとんどみませんでした。
しかし、年々目立つようになり、慢性的に炎症をくり返すアレルギー性のアトピーも、ある時期からびっくりするくらい増えました。

 

今と昔との病気の違いは、生活習慣や環境の違いといわれます。

たとえば、動物性脂肪が増えるのに比例して、糖尿病や心臓病や、腫瘍などが増えるといわれています。
 
私が子供の頃は、たとえば、一風呂浴びるにも井戸から水をくみ上げ、マキを割って火をおこし、一汗かかないと入れなかったものです。それが今はボタン一つです。
それに、ちょいとした所でも車を使う便利さです。

昔と比べ、現代はストレス社会ともいわれます。
 
又、農薬や食品添加物なども無視できません。
 
実は、さまざまな農薬や食品添加物などの化学物質が、長期にわたって体内に蓄積される影響は、まだよく解明されていないようです。
 
アレルギーは、昭和30年代から使用が急増した農薬や食品添加物などの化学物質の蓄積が、親だけにとどまらず、生まれる子供にも影響しているのかもしれません・・・

 

搾りたてのジュースと、缶ジュースを飲み比べたことがあるでしょうか? たとえば、同じリンゴジュースでも、かなり味が違います。
 

新鮮な食品には微量成分が含まれますが、食品は加工すればするほど微量成分が壊れ、味の違いになります。

 

現在は、思いのままの豊かな食品をとれますが、保存法が発達した分、鮮度の落ちた物や加工食品が増え、一過性の出来物より、慢性的なアレルギー型の湿疹が増えているのかもしれません・・・

 

クリーンな生活環境は大切ですが、しかし・・・
・・・かえって、清潔すぎる生活環境がアレルギーの原因になっているともいわれはじめています。・・・
また、洋風化する食事による腸内細菌叢の乱れもアレルギーの原因にあげられています。・・・

 

では、昔、出来物が多かった訳とは・・・

たとえば、高血圧には塩分が毒といわれます。

痛風にはプリン体が、糖尿病には甘いものが毒といわれます。肝臓病の人にとってアルコールは毒ですし、アレルギーの人にとってはサバや麦や大豆などが毒になることがあり、体のコンディションによっては食べ物はなんでも毒気に変わります。

 

また、塩でも、肉でも、甘いものでも、偏った栄養の摂り方自体が害になります。

昔、まだ冷蔵庫が普及する以前は、キャベツが旬になると毎日キャベツばかり、白菜がとれる頃は白菜ばかり、大根、イモ、鰯、サンマばかりといった、かなり単調な食生活でした。
又その頃の保存食は塩気が主でした。
 
今より保存法が限られた頃は、採りたての新鮮ではありますが、日々単調な食品を摂るその偏った成分や、又、逆に、多少古くても食べていた食品の傷んだ成分や、保存食品の強い塩気が体内で消化しきれずに、出来物・腫れ物になっていたのではないでしょうか・・・
 
今と昔の病気の違いは、自律神経のバランスの乱れからくるとの説もあります。

 

たとえば、飢餓状態になると交感神経が優位になり、白血球のうちの顆粒球が増え、皮膚や口鼻や腸内の普通に常在する菌にまで反応して化膿しやすくなるという説です。

 

まだ戦後の食糧難だった私の子供の頃はほとんどの子供が青バナを垂らしていましたが、それは鼻の常在菌に顆粒球が過剰に反応していたわけで、つまり、その頃は出来物も多かったわけです。

 

そう考えると、大昔はもっと食料の欠乏も深刻なことが多かったでしょう。

ですから、出来物ももっとできやすかったはずです。

 

出来物ができた経験がないと分からないと思いますが、ちょっと触っても飛び上がるほど痛いのです。
ところが、膿( うみ )を吸い出すと、とたんに痛みがひいていきます。
 
出来物が固いときには、いくら吸ってもウミはでません。そんなときには出来物に少しキズをつけると膿が出やすくなります。
大昔の人は、草木の棘( とげ )でキズをつけていたかもしれません。そして、膿が出ると腫れがひくことも覚えたはずです。
 
現代人と違って、山野をかけまわって狩りをしていた石器時代の人類は、打ち身が多かったはずです。

打ち身をすると、腫れあがります。

 

しかし、腫れに、おデキができたときの要領で、かすかにキズをつけて吸玉をすると、瘀血がとれ、一気に腫れがひきます。

出来物を治す経験から、石器人がそれに近い治療をするのは難しくはなかったでしょう。

 

縄文人でさえ平均寿命は15歳ほど、人生30年程度だったといいます。
現代人のような生活習慣病はめったになく、ほとんど狩りや部族間の争いによる打ち身や怪我だったでしょう。

治療の意味の、医の中にある矢の文字は、狩りや戦で打撲をしたとき、すぐ手元にある矢の先でキズをつけ、瘀血を出したことからきているように思えます。
 
怪我をしたときに、傷口を舐めたことがないでしょうか? 

まだ、物心がつくかつかない幼い頃に、血液のショッパイ味とともに、そんな記憶がおぼろげにあります。
額やすねを打ったときに、とっさにツバをつけてさすったことはありませんか? 
 
幼い頃やとっさの時に、人はまだ動物だった頃の習性が、つい出てくるのでしょうか。・・・

・・・舐めたり、吸ったり、する行為は、本能に近い行為のように思われます。
 
現代人の祖先は、17万年前にアフリカで誕生し、6万年前にユーラシア大陸に広がり、1万2千年前にはほぼ全世界に広がったといいます。

 

吸玉が大昔から世界中に広がっている理由は、現代人の多くがアレルギーで苦しんでいるのと同じくらいに、大昔の多くの人がおデキで苦しんでいたからではないでしょうか・・・

 

そして、おデキは難しい知識はなくても、お祓いや祈祷をしなくても、膿を口で吸うだけで治るという単純なことで済み、人類が初めておこなった医療は吸玉だったと考えてもおかしくないわけです。

 

口で吸うやり方から、吸玉という道具を使い始めたのはいつ頃だったのでしょう。
吸玉は、吸角( きゅうかく )という古い呼び方もあります。
 
吸角は、動物の角( つの )をくりぬいた吸玉です。

マンモスを狩っていた氷河期の人が使い始めたのでしょうか。
 
動物の角をくりぬき、円錐形の先端に小穴をあけて吸うと、口で吸うより吸いやすく吸引力もあがったでしょう。

 

冬に吸玉をすると吸玉がとても冷たいのですが、そんなときには吸玉をあらかじめ温めておきます。
昔の人も、同じことをやっていたでしょう。
急ぐときは、吸角の中に直接火を入れて温めていたかもしれません。
切羽詰まっているときは、まだ火が消えないうちに肌につけたかもしれません。

そして、たまたま先端の小穴がふさがっていたとき、口で吸うよりはるかに強力に吸着することに驚いたはずです。
                                                            
これは、ほとんど今でも世界中でおこなわれている、吸玉療法のやりかたです。
 
吸玉の中に入れて燃やすものは、燃えるものなら何でもいいのです。
しかし、アルコールを使うのが、最も一般的のようです。
 
ちなみに、私は電動機を使っています。そのような吸玉の最新機器があるのは、日本だけのようです。

 

歴史がすすむと吸角は青銅や土器の壺( つぼ )に代わりました。

治療技術もあがり、治療効果の高い体の部位も見つけ出しました。
そして、その部位に壺を当てたので、治療効果のある部位をツボというようになったのではないでしょうか。

 

つい最近まで、医療を表す漢字は、医と酉( ゆう )を使った文字でした。→( 醫 )

酉は酒壺のことで、それは吸玉の壺と、アルコールを、同時に表現しているようにみえます。
 
西洋でも、吸玉は長い間医者のシンボルでした。( ※ 図は、ギリシャの神殿跡から発見された吸玉の奉納浮彫 )
 
・・・ ちょっと、思い込みの勝ったレポートだと思われたでしょうか。
ですが、吸玉は、人類とのかかわりが思った以上に深い療法だったのです。
 
20世紀は、病原菌が病気の原因とする、細菌病理学が主流の時代でした。
 
しかし、21世紀は、病原菌の存在しない『生活習慣病』、つまり、“体質の悪化” との格闘の時代なのです。
 
 
 
 

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