よみがえる吸玉・カッピング療法
21世紀の健康のカギ・・・吸玉・カッピング療法
大阪帝国大学教授の片瀬淡博士は、長年研究して発表した「酸塩基平衡の学説」をもとに、無病息災と長寿を欲するなら、偏食・過食・贅食をさけ、過労を避け、早寝早起き、適度な運動、そして心を明朗にして、血液浄化に努めるべしと、説いています。
しかし、だれもが理想的な健康生活を送れるとは限りません。好むと好まざるとにかかわらず、人は波瀾万丈の荒波の中で命を削って食べていかなくてはなりません。
私が上京したときに、体調をおおきく崩したのは、食事の大切さも知らなかったからです。
野菜嫌いで甘いもの好きだった私は、一人暮らしを始めた開放感と面倒さが加わって、でたらめな食生活をしました。それに、気持ちばかりが先行する無茶な働き方をしました。
私の母が病気になったのも、病原菌が原因ではありません。
高度成長する以前の日本はまだ貧しく、皆助け合って暮らしており、人のいい私の両親は、保証被りで人の借金を背負ってしまいました。
ストレスが加わると、食欲が落ち、睡眠が乱れ、すると排泄も乱れ、すると肩がこり、頭痛がして、動悸が起こり・・・と、いろんな “自覚症状” が起こってきます。
ストレスも短期間で解決すればすぐに自覚症状もおさまりますが、両親の負った借金は莫大すぎて返済に長い間苦しみました。
ストレス状態が長く続くと自覚症状も頑固になりそのうち病気も起こってくるのです。
乳癌になった姉( 兄弟のように育ったいとこ )も、幼いころ両親を原爆で亡くし、波乱万丈の人生を送りました。
最近、私は運動も兼ねて畑仕事をしていますが、時々夢中になりすぎて後でとても応えることがあります。
健康によくても ‟適度” が大切で、し過ぎると、運動は過労になるのです。
運動をしてガンが治ることもあるのは、運動不足からも生活習慣病は起きるからです。
しかし、生活習慣病は過労でも起きますから、ガンの主要因が過労の人の場合は、運動を頑張ったとたん悪化することもあるのです。
単純に、運動不足と過労を比較すると、過労の方がはるかに病気を引き起こす負荷は大きいと思います。
僻( へき )地にあるから誰もいらないと、私の息子がお爺さんの遺産を貰いました。
近所にある私の畑は50坪くらいですが、それでも草取りをやるとなると何日もかかります。
ところが息子がもらった土地はその10倍もありますが、草刈り機を使うと半日ですみますし、体もほとんど疲れません。
戦後日本人の寿命を延ばしているのは、医学の進歩というより機械化による過労の激減が大きいとおもいます。
芥川龍之介に「トロッコ」という小説がありますが・・・
子供の頃、近くの原爆の丘に平和祈念像を建てる工事が始まり、そこで使っていたのもトロッコでした。
トロッコというのは、土砂を運ぶ線路の上の荷車ですが、それを押していたのは機械ではなく人なのです。
そのように、そのころの仕事はほとんど人力でやっていました。
体を使う仕事はとても疲れます。ですから、その頃の仕事は夕方5時頃には終わり、そして、どの家庭からも夕方6時くらいには「御飯ですよー」の声がして、外で遊んでいた子供達は一斉に自宅に帰っていたのです。
今ほとんどの仕事は体を使わないでも出来るようになりました。
そのうえエアコンが暑さ寒さをしのぐ必要もなくし、真昼のような照明が夜という生活環境を奪っています。
代わりに、今は、時間を無視した無制限な働き方が増えているようです。
体を使うのに比べ、体を使わない仕事はあまり疲労を感じません。
ですが、それでも長期に長時間働くと遠赤外線でじっくりあぶられるような慢性的な疲労が蓄積します。
疲労が蓄積すると、風邪ひきやすくなります。そして、手っ取り早く治そうとして薬を飲むと・・・
先に述べたように、風邪薬はなく、熱や咳を薬で抑えている間に風邪を治しているのは体自身ですから、もしそんなことを繰り返すと、体自身の免疫力が低下し、風邪が治りにくくなります。
病気が治りにくくなると、薬も増えて、強くなります。
免疫力が落ちて抗生物質を使うと腸内細菌のバランスを崩します。すると、下痢や便秘の薬も増えます。
増えた薬が胃に負担をかけると胃薬も増えます。そして、さらに肝臓や心臓にも負担をかけ、・・・薬が薬を呼び、身体の全体的なバランスが崩れて不眠や疲労や痛みなどの自覚症状も出てくるようになります。
自覚症状の代表ともいえる痛みに対する薬も、風邪薬のような一時の緩和薬しかないのです。
痛みを抑えている間に痛みを治しているのは体自身なのです。
他の、たとえば下痢や動悸や不眠などの自覚症状も同じようなもので、薬で抑えている間に自覚症状を本当に治しているのは体自身なのです。
ですから、体自身の治す力が落ちてくると、風邪と同じように自覚症状も治りにくくなり、自覚症状が取れないうえに辛くなるとパニックに陥ってしまう・・・といった、難病化したようにみえる若い人が、最近増えているように感じます。
前に話した、顎関節症の人も最初そんなふうに見えました。
そんな、難病化したように見える若い人には、まず睡眠をしっかりとるように話します。
そして仕事は必要最小限に、遊びも趣味も控え、兎に角休養を取るように話します。
それから吸玉をすると、自覚症状は無理なくとれていきます。
そして、食事の偏り、運動の過不足、飲酒、ストレスなど、生活習慣に歪があれば、見直していただき、それに、ここで思い出してほしいのは、環境の影響です。・・・
日光の過不足よる、骨の生育不良や皮膚がんになる、イギリスの黒人やオーストラリアの白人と似たようなことが、今現代人に起こっているようなのです。
また、人には感受性の違いもあります。
同じような食べ方、運動の仕方、飲酒の仕方、同じような環境でも、影響は個々により違うのです。
毎日のジョギングが健康の秘訣の人もいます。しかし、それではハード過ぎて軽い散歩程度がベターという人もあります。
好きなだけ肉を食べても問題のない人もいます。しかし、長年菜食を基本にしてきた日本人には、洋食が向かない人もいます。
人により環境や習慣にどの程度の感受性の違いがあるか、人まねではなく、その人仕様の健康法を探る必要もあります。
しかし、わずか半世紀の間に、我々は別世界に生きてしまっていることをもっと自覚する必要があります。
今、長時間労働だけでなく、夜勤の仕事も増えています。
夜勤をやってもなんの問題もない人もいます。しかし、合わない人もいます。
それは、人により感受性の違いがあるからで、そんな違いもよく吟味する必要があります。
夜勤といえば、こんなことがありました。・・・
私がカッピングを始めた頃、魚市がまだ長崎港内にあったころです。・・・
冬の寒いころ、寒風の中立ちずくめの夜勤で疲れても、カッピングすると疲れがとれるといって、朝からカッピングに来られる魚市のおばさん方々が目立つようになりました。
その方達が、毎日でもカッピングしたいが払いがきついと云われて始めたのが会員制でした。
その頃の料金は、当時の健康保険外の相場でしたが、それを健康保険並みに考えたのです。
これまで述べたように吸玉をする人は少なく、経営はずっと苦しく、毎日でもしてくれるならそれもいいかと考え、それに、その頃私は吸玉を続ける方達を観ていて、少し控えめの治療が治りよく感じていたのです。
どれほどの可能性があるかと、吸玉を始めた頃は、吸玉の数も増え、吸圧もだんだん強く、時間も長く、1時間以上もかけていたころもありました。
しかし、その頃そんな治療を少しずつ控えてみて、いい手応えを感じていたのです。
そして、もっと控えるなら料金を下げても何とかやっていけるだろうとも考えました。
そして、経営はともかく、治療の経過はとてもよくなりました。
黒岩先生は、講演会や勉強会で、医学の父といわれるヒポクラテスについてよく話をされていました。
ヒポクラテスは、病気を治すのは患者自身の力であり、医療はそれを助けることだと言っていたそうです。
そして、その頃私も、病気は吸玉の機械で治すというより、その人自身の治す力を引き出すことが重要だと考え始めていました。
人間の本来持っている治す力を過小評価すれば、治療は何をやっても過剰になるようです。
しかし、自然治癒力を高く評価すれば、その考え方は違ってくるようです。
勿論、私の場合、半信半疑でやる方への限定される治療しかできませんから、吸玉の科学的な浄血原理を公に究明し、信頼しあう治療環境が整うと、もっと工夫もできると思います。・・・
自然治癒力
病原菌というより、現代人の病気は生活の習慣や環境により起こっていることを、もっと自覚すべきです。
今肺炎は日本人の死亡順位3位の、増えている病気だそうです。
そして、そのわけは、体が弱ってしまうと薬も効かなくなるからで、つまりB型肝炎で述べたように、病気はバイキンより免疫力が著しく低下した体にも大きな原因があるわけです。
もし、病気がガンコなら、一度バイキンから離れて固定観念をなくす必要があります。
現代病の元凶が体質の悪化なら、それを阻止をするにはどうすべきか? ・・・
・・・まず出てきた自覚症状を確実に解消することです。
そして、そのためには自覚症状が何かを知ることです・・・
たとえば、痛む感覚をなくした人は、体中アザだらけになるそうです。
それは、痛む感覚をなくすと、体をあちこちぶつけるからです。
痛みは、体を保護するためにあります。
痛みだけではなく、しびれやこりや、動悸や発熱、咳やめまいや下痢などの自分で感じられる自覚症状は、自分自身を守り、さらに、自分自身の異常が体の ‟どこ” にあるかを感知するためにあります。
自覚症状があっても、検査では異常がないことがあります。
しかし、それを東洋医学では ‟未病” といって、まだ病気ではないが、病気が起こるかもしれない状態とみて、病気に発展させないようにするのです。
病原菌という固定観念をなくし、自然治癒力という存在に目を向けると、自覚症状の出る ‟わけ” が見えやすくなります。
正座をすると足がしびれます。そして、正座を続けると足が痛くなり、やがては立とうとしてもすぐには立てなくなります。
又、しびれた足を延ばすと血行が戻ります。その時、足がモゾモゾモヤモヤします。
血行が悪くなるとしびれや痛みを感じますが、血行が回復する時も、モゾモゾ、モヤモヤする気持ちの悪さを感じます。
自覚症状は異常を知らせるだけでなく、異常を自身で治すときにも感じるのです。
例えば、風邪をひくと熱や咳がでます。それは、体が自身の異常を知らせ、同時に、自身で病気を治している状態でもあるのです。・・・ここが重要なところで、・・・
異常を知らせるのと同時に、自覚症状は体が自分自身を修復している状態 でもあるのです。・・・
そして、自覚症状が出ている状態は、自然治癒力が活性化している状態 でもあるのです。
東洋医学でいう ‟未病” には、自覚症状があるのに検査に異常がない場合と、検査に異常があるのに自覚症状がない場合があります。
前者の場合は、病気を自力で治そうとする自然治癒力の活発な状態で、後者は、自然治癒力が衰えた状態です。
誰でも、年に1度くらいは、風邪をひきます。
風邪ひくと、悪寒がし、くしゃみ、鼻水、発熱、発汗、咳や痰がでて、下痢や食欲不振、倦怠感、頭や喉の痛みなどの自覚症状がでます。
そんな、誰もが年に一度はかかる ‟普通の病気” といってもいいくらいの風邪でも、体が自身を治すときには、そのくらい大げさといってもいいくらい賑やかな自覚症状を出すのです。
一度、薬を飲まずに風邪を治してみてください。自然治癒力の確認ができるとおもいます。
自覚症状があっても、病気が治れば自覚症状はとれるものです。
又、まだ病気でない ‟未病” でも自覚症状は出ます。しかし、体が自身の修復を終えると自覚症状は自然にとれるものです。
薬を飲もうが飲むまいが関係なく、体に修復する力さえあれば自覚症状は自然にとれるものです。
しかし、体に修復力がなくなれば、自覚症状は簡単にはとれなくなります。
テレビで見たケースですが、自覚症状で苦しむ方が、検査しても異常がなく、いろんな病院でも原因が分からず、何年もして、ある特殊な病気の専門医師に巡り合い、なんとか病気の特定ができた・・・
しかし、まだその病気の治療法はなく、緩和薬で何とか一息ついた・・・という内容でした。
しかし、吸玉の浄血原理でみると、最初の頃は、まだ病気ではない ‟未病” の段階だと考えられます。
そして、その段階で自覚症状をとれば、特別な病気にもならないで済んだとおもわれるのです。
昨年( 平成27年 )の9月に、体が疲れやすくなって、段々ひどくなり、検査をしたら尿に潜血反応が出たといって来られた方がいます。
疲れやすいのは、歳だから仕方ないといわれ、仕事も止めようか考え中だとおっしゃっていました。
しかし、カッピングを2、3回すると疲れがとれ、潜血反応もなくなりました。
そして、その後もカッピングを続けていますが、例年にないこの夏の猛暑でも疲れずに仕事ができると、つい最近そんな話をしたばかりですが、この方は、介護ヘルパーをされている60代の方です。
元気で介護の仕事を続けるか、弱って介護される側に回るかの違いは大きいです。
そして、自覚症状の中でもこの ‟疲れ” の解消が、未病を治すためには特に重要です。
自覚症状をとるとき、思い出してほしいことがあります・・・
正座してしびれた足を、正座をしたまま足を揉んでもさすっても、しびれも痛みもとれません。
正座した足のしびれをとるにはどうすればいいか? ・・・足を崩して、延ばせばいいのです。
吸玉の浄血原理はそれと同じ原理で、どんな頑固な自覚症状でもとることができます。
今なにをしても治らない自覚症状で苦しむ人が大勢います。
それは、なぜ自覚症状が起きるか知らず、その取り方も知らないからです。
そんな人たちを救うためには、浄血原理の科学的解明を公にして、カッピングしやすい環境を整える必要があります。
黒岩先生の御父上は医者でしたが、御本人は医者でも学者でもなく、昭和10年に鹿児島の加治木工業高校の臨時教諭職につかれました。
昭和12年に陸軍に応召され、肺結核になって療養所に入り、病気が進行して瀕死の状態になりましたが、それを吸玉で克服し、戦後、その経験を基に吸玉の普及を始めました。
そんな医者でも学者でもない経歴のせいか、先生が解明した浄血原理も、先生独自の治療のやり方も、世に認められることはありませんでした。
しかし、身の回りのこともできない高齢者が増え、介護する側にも動けなくなる者が増えるなら、日本に将来はありません。
今科学は、臓器移植ができるほど進歩しています。
ですが、心臓でも腎臓でも、いきなり移植が必要になるわけではありません。
生活習慣病は、さまざまな歪が長い期間積み重なって、それが限界を越えたときに起こります。
ですから、臓器移植に至るまでに、内臓の弱った状態が、長期にわたって存在するのです。
つまり、移植をする前に、内臓の弱った ‟未病” の状態を治す機会はいくらでもあるわけで、それができれば移植も必要なく、移植ができるほどの今の科学なら、それができないわけはないのです。
・・・ところが、現代の科学はそれができません。・・・
太陽は、今でも東から西に動き、大地より天の方が動いているように見えます。
しかし、思い込みや迷信を避けあらゆる角度から検証する科学の目で見ると、やはり地球の方が動いているのです。
その科学の目で見るなら、・・・
臓器移植より、内臓の弱った ‟未病” を治す方が難しいとは思えないのです。
しかし、今それができないのは、どこかに先入観や思い込みや迷信や盲点があり、あらゆる角度からの検証が不十分だからです。
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